SEIKOSEIKO

2021.12.10

【日常生活にピラティスを】 歩くことを深堀りしてみる3

 

身体のために 健康のために手軽にできるウォーキング。

「歩くことを深堀してみる1と2」では1日1万歩は適正なのか?ということと

そのウォーキングは身体のために本当にいいのか?

ということを書きました。

【日常生活にピラティスを】 歩くことを深堀りしてみる1

【日常生活にピラティスを】 歩くことを深堀りしてみる2

身体のためになっているつもりのウォーキングが

身体を痛める原因になっているなんて 大ショック。

ウォーキング以外でも健康のためにやっていることが 実は身体によくなかった

ということ、たまに聞きますね。

ウォーキングをすることは本来 身体のためにいいことのはず。

あなたの歩き方や身体のバランスなど 今ある問題を理解し、

解決させるようなウォーキングをしましょう。

 

① どんなフォームで歩くのか

② どのくらいの距離を歩くのか

③ どのくらいのスピードで歩くのか

前回、身体のバランスとして上半身と下半身のコーディネーションについて

書きました。

 

歩行時の加重

 

今回は足部(足首から下の部分)についてです。

普段立っているとき 足のどの部分に体重が乗っていますか?

理想の重心位置は内くるぶしの少し前あたりと言われています。

そして歩く時の体重移動は図にすると こんな感じ。

踵の外側から 小指側面を通り 親指に抜けるように

地面をとらえるのがスタンダード。

脚を前に出して踵の外側で地面をとらえる

その足が身体の後ろになり 蹴り脚(実際には蹴りません)

で親指が最後に抜けていく。

ということです。

そこで足の指ですが、本来 歩行時に指で地面を握る 又はひっかくような

歩き方というのは足にも脚にも負担になります。

けれど、指の地面をとらえるパワーは歩行時の歩幅や速度と関係します。

指で地面を握ることの影響も 指の力と歩行の関係も

どちらも自分自身の経験で実感したことがあるのでご紹介します。

 

足趾は歩く動作では踏ん張りません

 

10年以上前のことです。

解剖学の勉強会で足の指はふわっと地面に設置しているのが理想と習った時

自分は足が細くて厚みもなく 靴の中で足がブレる不安定さを指で靴底を握って

回避していたことに気づきました。

いくらサイズが合っていると思う靴を履いていても指にはいつも力が入った状態で

歩いていたことに気づき

さっそく指の力を抜いて歩く練習を開始。

すると、夜 足の疲れがいつもよりぐっと楽になっていることに気づきました。

足の指に常に力を入れることで足裏の筋肉にも負担がかかっていたようです。

それ以来、足の指に力を入れずに歩くようにし、私の足と靴との相性探しは

かなり入念になりました。

そう考えると、サイズが大きすぎる不安定なサンダルで一日中歩くというのは

楽ではないのかもしれませんね。

足が細く薄っぺらな私は大きなサンダルはすごく苦手。

 

足趾の筋力低下と歩行スキル

 

そして時は経ち、今から3年前のことです。

右脚脛骨を骨折しました。

全治3か月、その間に脚はやせ衰え筋力はすっかりなくなってしまいました。

全治というのは骨がくっついたということで、

元の状態になったのとは全く違います。

今もまだ 左より右脚の方が筋肉が少ないことで、いろんな気づきがあります。

筋肉が少なくなったのはケガをした右脚だけではありません。

入院はしませんでしたが、右脚をつくことができないので外には出ないので

左脚も痩せました。いや、全身すごく痩せました。

お尻の筋肉も

足の裏の筋肉も

足趾のちからもなくなりました。

足趾はすごいです!

指の反り返しが無限に曲がってしまって、

このままでは指が取れてしまいそうなくらいグラグラでした。

指を支えておく筋肉がないとこんなことになるのか!と恐ろしく感じました。

そんなわけで、当然地面を捉える力もなく

腿の裏からお尻にかけて力が伝わらない歩行。

指が無限に反り返ることで 浮指の状態。

足底の横のアーチがつぶれているのもはっきりと感じることができました。

足のサイズも右だけ小さくなり

スニーカーが重くて辛い。

足の指なんてどんな役目があるのか 深く考えることがない人が多いと思いますが

歩行のパワーと連動していると実感することばかりでした。

3年間自分なりにトレーニングを続けてかなり改善してきましたが

まだ左と同じとはいきません。

先日も重たい荷物を両肩に担いで 海に続く川の橋の上を歩いていました。

海風が強く吹き、坂道なので風に飛ばされないように

荷物を抱え踏ん張るように歩いていると

右の足趾だけ ものすごく力がいることを感じました。

左は踏ん張るちからがあるのでそんなに頑張らなくてもよかったようです。

 

まとめ

それ以来 今まで以上に足趾のパワーを意識して

鍛えたり、歩いたり、を楽しんでいます。

靴の中では指はゆったり、靴選びも 靴の紐もしっかり自分に合わせる。

目的に合わせて靴を履き替えるなど 薄くて細いお困り足ですが

工夫のしがいがあります。

小さな筋肉はダイナミックな動きの中では気づきにくいところなのかもしれません。

でも、確実に他の大きな筋肉にも影響を与える重要な筋肉だったりします。

ピラティスというエクササイズは自分への気づきのエクササイズと言われるように

自分の動きや 身体の様子への気づきが研ぎ澄まされれていくエクササイズです。

自分が歩いている時に加重はどのようにされているのか、

指はどんな役目をしているのか 歩行は地面からパワーを得ているのか

そんなことを感じながら歩けると自分に合った歩き方もわかりやすいと思います。

少し調べると、高齢者の足趾の筋力と歩行の研究の論文もいくつか出てきました。

足趾のパワーが不足すると歩行の速度も歩幅も出なくなります。

高齢の人は自分の脚で歩けることがQOLと直結してきます。

若い人でも個人差があります。

あまり歩かない生活をしていると 私のように足の指の力も弱くなります。

健康であるため 筋肉は必要です。

足の指や足の裏にも筋肉があります。

あなたの足部の筋力はウォーキングをするのに適した状態ですか?

使わなければ筋肉は衰え 使い方を忘れます。

歩かなければ歩く筋力は低下します。

普段あまり歩かない人は 突然長距離をウォーキングするより

フォームを理解し 適度な距離から始めるのがいいですね。