SEIKOSEIKO

2024.07.31

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ロールアップの成功の鍵はマット反力


こんにちは。

ピラティススタジオ Pilates plusのエノモトセイコです。 

ピラティスのエクササイズの中に「ロールアップ」というマットエクササイズがあります。

仰向けに寝ているところから 首の方から順に背骨を丸めて起き上がるのですが

ポイントは反動を使わずに 背骨をひとつづつ動かします。

この ひとつづつ背骨を動かすことをピラティスの用語で

「アーティキュレーション」と言います。

アーティキュレーションというと音楽の世界では音と音のつながりの

メリハリの表現のことだったりするようですが、

ピラティスでは流れるように滑らかに全ての背骨を順に動かすようなイメージです。

この「反動をつけずに滑らかに」というのが、

ピラティスをしたことがある人ならわかると思いますが 結構大変で。

グループレッスンをしていたころは 「先生、みんなロールアップできるようになることが

目標って言ってるの!」とよく言われました。

滑らかなアーティキュレーションで動くロールアップはみんなのあこがれみたいです。



私もピラティスをするまでは、背骨がひとつづつ関節で

全部をまんべんなく動かすなんて考えたこともありませんでした。

もちろんすぐ動くこともなく、気合いと根性と力づくで起き上がっていました。

背骨の動かないところは「そんなとこ 動くわけない。」って思っていて(笑)

私は、元々身体も硬くて腰痛もち。

仕事もオーバーワークでいつも身体はボロボロのガタガタ。

そんな私の身体も頭もコチコチに固まってしまっていて背骨はちっとも動く気配がありません。

それがマットピラティスの養成に入って 毎日ピラティスをすることになりました。



養成といっても、私が学んだピラティスは

自分が動いて 指導をして経験をすることで答えを見つけていくというカリキュラムでした。

このエクササイズにはどんな意味がある?

どうやって成功させる?

これらは先生から教えられません(たぶん、私が理解していなかった説もあるかもしれないけれど)

それは、アメリカでマスタートレーナーの資格を取て来たばかりと言っていたので、

もしかすると今だともっと違う教え方をされているのかもしれません。

2004年か2005年の話で、その先生たちも経験を積んでいらっしゃるのでしょう。

とにかく私はひたすら力業でロールアップを続けました。

どんどん筋疲労が溜まっていって そのうち「あ~!もうだめだ。」と

気合いを抜いてみるとびっくりするほど簡単に背骨が動いてくれて

「あれ? 私、もしかして頑張り方間違えてたのかな?」と気づいて修正していく。

そんな過程をたどりながら認定を取りました。



今度は人に教える方になると

私のような辛い思いをさせるのがピラティス道なのか?

という疑問にぶち当たりました。

なるべく辛い思いをしなくてアーティキュレーションの感覚を得て欲しい。

自分なりにいろんな工夫をして いろんなキューイング(言葉の指示だし)

を試して いろんなツールを使ってトライしました。

でも、最近テキストを読み返してみるとなんでも教えてしまうのではなく

生徒本人が気づく指導が求められているということに また気づくわけです。

自分ができなかった時期の記憶はとても貴重で、できないができるになったきっかけ

はどのエクササイズも鮮明に覚えているので 自分の経験を元に指導をするようにしています。

そんな中で、自分がロールアップが滑らかにできた時に

起き上がったすぐ下の部分をマットで押すようにすると上手くいくことに気づきました。

頭が起きると首の骨が起きます、そのすぐ下というと胸の裏側

胸の裏側が起きたら みぞおちの部分を押すという具合。




この方法で見事にアーティキュレーションになった上に

とても腹筋の筋力が付きました。

この理屈を「マット反力」と名付けたのは私のオリジナルなんですが

元は「床反力」という言葉があります。

床反力も、一般に知られた言葉ではないと思います。

床反力を学んだ時「私たちは地面から力をもらって歩けている」と聞いて

私は地球はエレベーターか!?

と心の中で突っ込みを入れたのですが

自分の出す力を地面が受け止めてくれて私たちは歩いているらしいのです。

例えば地面が砂浜だと 私たちの足の裏をしっかりと受け止めてくれないですよね。

海面で立つことは不可能なのは、私たちを海は支えてくれないからです。

ましてや、歩くなんて踏み込めば沈む一択ですよね。

そこには自分の体重だったり、パワーの強さも関係してくるのですが

地面は基本小さな子でも 大きな大人でも立っている人を支えてくれていて

私たちは歩けているのです。

それがピラティスで寝た状態になると 足の裏は背中になって、地面はマット

床から支える力をもらって起き上がるのにアーティキュレーションをする意識を

持つことができれば床反力と同じ原理で

動くことができるということに気づいてしまった!

何でも失敗は成功のもとと言います。

何も考えずともできてしまうことよりも、苦しんだ分 人に伝える引き出しは

確実に増えたかなと思っています。

ロールアップは起きたすぐ下を押すと力をもらえて滑らかに起きてこれますよ。