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ピラティスでインナーマッスルを感じる方法。鍛え方と効果
ピラティスの基本となるインナーマッスルを感じる方法や、インナーマッスルとアウターマッスルの違いとその役割についても解説。力を抜く難しさや、呼吸・姿勢を通じて感覚をつかむ方法として「スクープ」や「四つ這い呼吸」などの実践法を紹介し、継続の大切さや効果について自身の経験も交えてわかりやすく伝えます。
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この記事の執筆
SEIKO(明石のピラティスプラス)
兵庫県明石市のピラススタジオの代表トレーナー。フッイトネス業界25年。ピラティストレーナー及びパーソナルトレーナー歴20年。トレーニングセッション実績25,000件以上。
目次
先日からInstagramで週1回トークライブをはじめました。
1回目は「私がピラティススタジオを始めた理由」という題材で簡単にピラティスとの出会いから、自分でピラティススタジオをはじめようと思ったきっかけなどを話しました。
これは、私を知ってもらうための挨拶みたいなものです。
2回目に「インナーマッスルとアウターマッスルの役割」の話をしたところDMがいくつか着て、なかなか反応が良くて驚いています。
皆さん、「インナーマッスル」という言葉は知っていてもどこについていて どんな役目があって どうしたらインナーマッスルが働いてくれるのかご存じない方はたくさんいると思うんです。
なので、このブログでも今一度インナーマッスルについて書いてみようと思います。
インナーマッスルとは?
全身に500以上あると言われている筋肉で、深層部に位置していることで触ることができないものがほとんどです。
なので「深層筋」とも言います。
触ることができなくて、意識をする機会が少ないインナーマッスル。
なぜ意識することが少ないのかというと、この筋肉の役割にあります。
インナーマッスルの大きな役割
①姿勢の維持
良い姿勢を維持する筋肉は背骨ひとつひとつを繋ぐようについています。
それらをコントロールしながら姿勢を保っているという意識など、している自覚なんてないですよね。
けれど、この筋肉が適切に働いていると姿勢を理想の状態で保つことができます。
姿勢が良くなりたいと思っている人は、この筋肉が使えるようになると今より理想に近づけるのです。
➁内臓を支える
私たちの身体を骨の状態にして、肋骨と骨盤の間の空間に内臓が収められています。
正確には肋骨の中にも肺が格納されていますが、今回はその下の部分のことを指しています。
その内臓が飛び出てしまわないように腰からお腹にかけて ラップを帯のようにひと巻きしているのがインナーマッスルの「腹横筋」です。
下から内臓を支えるのも「骨盤底筋群」というインナーマッスル。
しゃっくりをした時にひきつっているのが上の部分の支えの「横隔膜」です。
この3種類の筋肉で内臓を理想の配置に保ちます。
「内臓を支えている」感覚なんてありますか?
お腹が出ている気がする人の中には、この筋肉が使えるようになるとスッキリお腹になる人が結構な数います。

③その他にも 股関節や肩 お尻と身体のあらゆるところにあるインナーマッスル。
インナーマッスルというとお腹にある筋肉と思われがちですが身体のいたるところに合って体幹のほか 関節の安定もするので肩や股関節、膝といった関節部分にもあるのです。
これらが、パワーとスピードの筋肉 アウターマッスルと協力体制を組み働いてくれることが、より理想的な状態なのです。
アウターマッスルとは
これは、身体の表面についている筋肉で「表層筋」と呼ばれたりもします。
例えば「力こぶ」の筋肉、これはアウターマッスルで「力こぶをみせて」というと 誰もが腕を肩の高さにして肘を曲げてみせると思います。
この筋肉の役目はパワーとスピードです。
速く走る筋肉、重たいものを持つ筋肉など、日常生活で連想しやすいかと思います。
わかりやすい筋肉ですが、その分使い勝手がいいというのか、ついアウターマッスルばかりを使い過ぎて、疲労が溜まる、怪我をしてしまう。
これもよくあることです。
ある日突然、肩が自由に動かせなくなった。とても痛い。
肩以外でも、こんな経験したことがある人もいるかもしれません。
アウターマッスルは力はあるけれど、毎日酷使しすぎて疲労困憊。
それである時、痛みになってやってくる。
コントロールの筋肉のアウターマッスルも一緒に使えたなら、そんな痛い目に合うことはなかったのかもしれません。
インナーマッスルとアウターマッスルが協力するとは?
インナーマッスルは身体の動きをコントロールして力はそんなに強くないけれどバランスを取ったり臓器を支えたり 姿勢をよくしてくれる筋肉です。
しかも、アウターマッスルよりも脂肪燃焼効果が高くアウターマッスルばかりで動作を行うのに比べインナーマッスルが共に活動すると疲労の度合いに格段な差が出ます。
アウターマッスル優位で動くことで 身体の不調の原因、怪我や痛みの原因となることも多いのは、先ほど述べた通り。
パワーとコントロールの筋肉どちらも使えるのが身体にとっては理想。
けれど、インナーマッスルって使っている自覚が少なくて使い方もよくわからない。
そうなんです。
インナーマッスルは身体の深部にあるせいなのか?使っている自覚が持てない。
だから、アウターマッスル優位になった動きをしてしまう。
では、インナーマッスルをどうやって感じたらよいのでしょうか。
どんな言葉がしっくりくる?
ちょうど先日 うちのスタジオに入会したばかりの方のピラティスセッションの時こんなやり取りがありました。
その方は、数年前に違うピラティスのスタジオに2年ほど通っておられました。
「先生、聞いてもいいですか?」とその方が話してくださったこと。
以前通っていた所では呼吸は「息を吐いて お腹を硬くして」と言われていたと。
ここでは「力を抜いて息を吐いて」と先生言いましたよね。
でも、ご本人2年もピラティスされていたので どの使い方がしっくりくるのかわかって話されている様子。
以前のところで言われた「硬くして」に違和感がありお腹のところの使い方と呼吸についてはスッキリしないまま通われていたようです。
それが数年ぶりにピラティスを再開して やってみて 腑に落ちた。という話なのですが、別にこれは私の指導が優れているという話ではありません。
人によっては「息を吐いてお腹を硬く」で通じる場合もあると思いますし少なくとも指導されていたご本人はそんな感覚で動かれていたのだと思います。
私にこの質問をされた方は、どちらかというとパワー優位で、いつも何処かに力が入っているタイプで 実際パワーもおありです。
このタイプの方に「硬くして」という表現を使うとアウターマッスルでガッツリ固めます。
いや、大抵の人は「硬くして」はアウターマッスル使うと思います。
力を抜くって難しいことです
インナーマッスルはそんなにパワーはありません。
動きをコントロールしてくれる筋肉です。
パワーのアウターマッスルが優位に働いてしまうと、インナーマッスルが使えているのか、わからなくなってしまいがち。
なので、うちでのピラティスの第1ミッションは「余分な力を抜くこと」がほとんど。
まずはリラックスして息を吐いて、もっと吐いて~と言って、グッとアウターマッスルに力が入るとお腹は硬くなります。
お腹が柔らかい状態でラクーに息を吐き続けるとおへその下の奥でちょっと筋肉が収縮する感じが得られます。
それがインナーマッスルなんですが、すぐできるかどうかは個人差があります。
私のところに来られたお客様は2年間わからなかった。
でも、なんかおかしい。これ、使い方わかってないんだろうな。
と感じておられたそうです。
私もわからなかったけど続けることができました
ちなみに私も、なかなかわからなかった人です。
いろんな人にいろんな言葉や手法で指導してもらいましたが、なかなか理解できませんでした。
でも、どれが力が抜けている状態なのかがわかりませんでした。
そんなわかっていない人が、ひょんなことからピラティスの養成に入ってしまいました。
そこでは、「わかろうとするよりとにかく動け」という感じ。
とにかく毎日毎日ピラティスをしました。
はじめはアウターマッスル100%な動き。
毎日していると、アウター100%って本当に筋疲労が溜まるんです。
もちろん、日々のレッスンという仕事もこなしていたので筋肉はバッキバキのムッキムキになりました。
そして、ある時アウターマッスルが力尽きて、ひょいとインナーマッスルさんが登場してくれたのです。
力が抜けて思う動きができた時はそれはもう、楽しくて 楽しくて。
私はエアロビクスのレッスンの合間、少しでも時間があるとインナーマッスルの感覚を得られるようになった動きを、ストレッチゾーンに駆け込んではひとりウキウキやっていたものでした。
不思議なもので理想的な動きができた時って 自分で「これか!」って感じます。
呼吸だけではなくて、背骨の配置だったり、肩甲骨の位置とか首の位置とか理想的な位置で動けた時は、可動域も広がりますし無理がない動作が可能でちゃんとわかります。腑に落ちるというか、身体が喜んでいるというか「自分の身体なのに 脳からの指令にちょっとしたミスがあってそれが修正されて納得する」みたいな感覚です。
またすぐできるとは限らなくても 理解してまたできるようになりたい!と脳と身体が私に言うんですよ。
インナーマッスルとアウターマッスルがお互い協力し合って上手く働いてくれた動作はとても楽で気持ちよくて、何より脳と身体が喜んでくれます。
いつもより力はいらないのに いつもと同じ負荷の動作が楽にできたら、どんなに気持ちがいいものでしょう。
私は、人よりその感覚を得るのが遅かったのかもしれません。
毎日、しんどい日 疲れが取れてない日 嫌なことがあった日、どんな日でもニコニコ笑顔でレッスンをしていました。(たぶん)
でも、確実に身体は疲労していたのだと思います。
アウターマッスルの頑張りすぎた身体の私がピラティスに出会って、インナーマッスルを使える身体になるまでは、 途方もない時間がかかっています。
時間はかかったけれど、ピラティスに出会ってインナーマッスルと出会うことができて本当に良かった。
インナーマッスルの感覚を得る方法は他にもあります。
今日こお腹のインナーマッスルの存在を感じてもらおう!
Instagramのライブでお腹のインナーマッスルを呼吸で意識してみましょう。
といったところ「なかなか理解できないので もっと練習が必要ですね」とコメントをいただきました。
もちろん練習はしたらよいのですが、別の方法ならもっと楽々感じることができるかもしれない。そう思ったんです。
何故なら、私が呼吸でお腹を意識することが すぐにできなくてモヤモヤしている時期が長かった人だから。
それでも、インプットの時期(養成で勉強中)はいろんなチャレンジがドンドンやってきて、次から次へと身体を動かしていかなくてはなりませんでした。
いろんな方法のピラティスをして、いろんなトレーニングをして。
ある時、ラジオのチューニングが合うように フッと何気なくやってみた動きで感じることができたりしました。
「今の何?」と思うと もうワクワクしてしまってその感覚を自分のものとして身体にも脳にも落とし込みたくて夢中で練習した記憶があります。
その方法がピンと来なくても、別の方法ならチューニングが合うかもしれません。
今回お腹のインナーマッスルについて 二つの方法をお伝えします。
ボールを使ってスクープ
ひとつ目は小さなボールを使います。
ピラティスの準備のエクササイズ「スクープ」です。
私のイメージでは高級アイスクリームのCM
カップからスプーンでアイスをすくっている様がえぐるを意味するスクープです。
まずは骨盤の下にボールを敷きます。
ボールは空気の量を調節して腰が反りすぎない大きさにします。

目安は腰骨と恥骨が床と水平くらいの位置がセットアップポジションです。
骨盤の下にボールを敷いて、ボールを踵の方向に押し出すようにして恥骨を巻き上げます。
その時お腹の力はいりません。
腰が伸びて、お腹は柔らかく、内臓が背骨の方に沈むようなイメージでスクープにします。
力を抜くこと、お腹がえぐれること。
この二つがポイントです。
それに加え私は「腰の筋肉が伸びる」と思うとうまくできました。
現代人は力を入れるのは得意。
というか、日常のストレスで知らないうちに歯を食いしばっていたり、肩に力を入れて生活してしまっている人が多いので力を抜く、筋肉の緊張を解くのが大変なのです。
なので、筋肉の緊張が解けるだけでものすごく身体はリラックスできます。
ボールの揺らぎを利用してユラユラするところから始めてみてください。
縦でも横でも骨盤に乗せて、ユラユラすると力の抜けている感覚がわかってきます。
力が抜けてからスクープの練習をするのがいいと思います。
四つ這いでお腹引き上げ
もう一つの方法が四つ這いで行う方法。
これが一番わかりやすいかもしれません。
四つ這いの姿勢で背骨は動かず、お腹の力を抜いて内臓の重さを感じるまで お腹をだらんと力を抜きます。
この時背骨は動きません。
この状態は2足歩行をする人間は普段あまり実感していない内臓の重さがだらんと床の方に垂れ下がっている状態です。
昔聞いたところでは内臓だけで およそ3キロの重さがあるそうです。
その3キロの内臓が負荷になります。
内臓を背骨の方に引きあげてみてください。
この内臓を持ち上げている筋肉こそがインナーマッスルです。
これをはじめて見たのが、マットのピラティスの養成の時。
その日は男性の先生で、講座の最後に誰かの質問に答えての行動が四つ這いになってシャツをまくり、お腹を膨らませたり ひっこめたり。
その膨らむ状態がまるでカエルのようにまん丸ですごく大きかったことに驚きました。
その当時 私は身体を硬くして使う癖があったせいか、お腹を膨らませる方がうまくできませんでした。
膨らませるというよりは力を抜いて内臓の重さを感じる。といった感覚です。
ピラティスがマインドボディエクササイズと言われるのか
人というのは余分な力を抜くのが苦手な生き物。
現代病といってもいいのかも。
だから人はリラックスを求めて、マッサージに行ったり、旅に行ったり、美味しいものを食べたりするわけです。
それと同じようにピラティスも普段使い過ぎているアウターマッスルを緩めてインナーマッスルを味方につけ、ラク~に気持ち良~く動けた時が正解の動きだったりします。
楽に動ける身体は心も軽くしてくれます。
決して頑張っていないわけじゃないのですが、頑張り方がちょっと違う、そんなかんじ。
そして、できなかったことがひとつできる度に身体の成長と心の変化があって自分に自信ができる人もいれば、自分を大切にすることに気づく人、健康の大切さを知る人もいれば、身体の不具合が自分の生活や考え方に原因があることを知る人もいます。
鬱をはじめとする身体の不調にも運動は良い効果があると言われています。
激しく辛いことをしなくてもいい。
ちょっとしたストレッチとか、お散歩とか。
身体を動かすことで心も健康になれる そうすれば世界は平和だと思います。
インナーマッスルが使えてない人の末路
インナーマッスルは自分で触ることができない筋肉がほとんどで使っている自覚もなかなか得られずに日常動作をしていることが多くその為、アウターマッスルとのバランスが崩れてしまいやすいのです。
それはどういった状態かというと、パワーの筋肉であるインナーマッスルは日常的に酷使されている状態になりやすいです。
そこでインナーマッスルのサポートがあれば怪我のリスクも減るのですがインナーマッスルが使えていない状態という自覚がなく動き続けることで「機能」がなさなくなるのです。
例えば四十肩、五十肩 膝いたや腰痛も大半はインナーマッスルが働かないことに原因がありそうです。
なのでピラティスでは、強い負荷をかけずに関節を適切に動かすこと、理想的な動きとは?を理解して運動処方をするインストラクターが運動指導をすることで、身体の機能を適切に呼び戻してくれるという効果が期待できるわけです。
うちのスタジオは、そういった痛みのある人もとてもたくさん通ってこられます。
そして、勇気を持って身体を動かしてくださって(痛いのに運動をするのって本来はとても怖いはずなんです)エクササイズが終わると身体が変わっているという経験を繰り返しながら、ご自分で身体を良い状態に持っていかれています。
因みに、痛いところからダイレクトに運動してもらうということは ほぼありません。
原因は痛いところにあるとは限らないのです。
どんなインストラクターから学びたいですか
インストラクターを選ぶ際は、そのインストラクターの姿勢をご覧いただくといいと思います。
多少の太っているとか 痩せているとか 背の高さは関係ありません。
顔がキレイとか、ファッショナブルなウエアにも騙されないでくださいね。
インストラクターなのに姿勢が良くないというのはその人がピラティスをやっていない 又は、やってもそのインストラクターのような姿勢に仕上げてくれるということ。
体系もバランスが良くない場合、そのインストラクターはバランスが良くない身体の使い方をしています。
ある程度は、家系的な骨格の問題ですが 使い方で体つきは結構変化します。
自分が全然エクササイズができないインストラクターに習いたいですか?
歌手なら歌がうまいから歌手になれるのであって、ただうまいだけではなく 人の心をひきつける個性や魅力があって人々に支持され 聞いてもらえる歌手になります。
インストラクターだったら、そのエクササイズについて理解できていることはもちろんですが、人の身体を変化させられる能力があってインストラクターと言えると思うのです。
最近、よそのインストラクターとの交流がなく少ない知り合いのインストラクターも自分が資格を取った頃から今も生き残っている人なので、しっかりとした実力の持ち主ばかりだったのでこんなに「資格持ってる詐欺」みたいなピラティス業界になっているなんて思いもしなかったことが あったのでちょっと書いてしまいました。
ピラティスは身体が変わるエクササイズです。
姿勢が良くなるとか 痛みが楽になるとか、ただ「こんな動きをすること」を教えてもらって身体は変わらんのです。
だったら、本や動画でみんな効果が出ます。
やってみたけど筋トレとどう違うの?
やった後は疲労感
何が効果かイマイチわからなかった
そのうちわかるのかな?
3回やってもわからないなら、それはあなたのせいではないと思います。