どんな言葉がしっくりくる?
前回、インナーマッスルとアウターマッスルの役目について書きました。
ちょうど先日 うちのスタジオに入会したばかりの方のピラティスセッションの時
こんなやり取りがありました。
その方は、数年前に違うピラティスのスタジオに2年ほど通っておられました。
「先生、聞いてもいいですか?」とその方が話してくださったこと。
以前通っていた所では呼吸は「息を吐いて お腹を硬くして」と言われていたと。
ここでは「力を抜いて息を吐いて」と先生言いましたよね。
でも、ご本人2年もピラティスされていたので どの使い方がしっくりくるのか
わかって話されている様子。
以前のところで言われた「硬くして」に違和感があり
お腹のところの使い方と呼吸についてはスッキリしないまま通われていたようです。
それが数年ぶりにピラティスを再開して やってみて 腑に落ちた。
という話なのですが、別にこれは私の指導が優れているという話ではありません。
人によっては「息を吐いてお腹を硬く」で通じる場合もあると思いますし
少なくとも指導されていたご本人はそんな感覚で動かれていたのだと思います。
私にこの質問をされた方は、どちらかというとパワー優位で
いつも何処かに力が入っているタイプで 実際パワーもおありです。
このタイプの方に「硬くして」という表現を使うとアウターマッスルで
ガッツリ固めます。
いや、大抵の人は「硬くして」はアウターマッスル使うと思います。
力を抜くって難しいことです
インナーマッスルはそんなにパワーはありません。
動きをコントロールしてくれる筋肉です。
パワーのアウターマッスルが優位に働いてしまうと、インナーマッスルが使えているのか
わからなくなってしまいがち。
なので、うちでのピラティスの第1ミッションは
「余分な力を抜くこと」がほとんど。
まずはリラックスして息を吐いて
もっと吐いて~と言って
グッとアウターマッスルに力が入るとお腹は硬くなります。
お腹が柔らかい状態でラクーに息を吐き続けると
おへその下の奥でちょっと筋肉が収縮する感じが得られます。
それがインナーマッスルなんですが、すぐできるかどうかは
個人差があります。
私のところに来られたお客様は2年間わからなかった。
でも、なんかおかしい。これ、使い方わかってないんだろうな。
と感じておられたそうです。
私もわからなかったけど続けることができました
ちなみに私も、なかなかわからなかった人です。
いろんな人にいろんな言葉や手法で指導してもらいましたが
なかなか理解できませんでした。
でも、どれが力が抜けている状態なのかがわかりませんでした。
そんなわかっていない人が、ひょんなことからピラティスの養成に入ってしまいました。
そこでは、「わかろうとするよりとにかく動け」という感じ。
とにかく毎日毎日ピラティスをしました。
はじめはアウターマッスル100%な動き。
毎日していると、アウター100%って本当に筋疲労が溜まるんです。
もちろん、日々のレッスンという仕事もこなしていたので
筋肉はバッキバキのムッキムキになりました。
そして、ある時アウターマッスルが力尽きて
ひょいとインナーマッスルさんが登場してくれたのです。
力が抜けて思う動きができた時はそれはもう、楽しくて 楽しくて。
私はエアロビクスのレッスンの合間、
少しでも時間があるとインナーマッスルの感覚を得られるようになった
動きを ストレッチゾーンに駆け込んではひとりウキウキやっていたものでした。
不思議なもので理想的な動きができた時って 自分で「これか!」って感じます。
呼吸だけではなくて、背骨の配置だったり、肩甲骨の位置とか首の位置とか
理想的な位置で動けた時は、可動域も広がりますし無理がない動作が可能で
ちゃんとわかります。腑に落ちるというか、身体が喜んでいるというか
「自分の身体なのに 脳からの指令にちょっとしたミスがあって
それが修正されて納得する」みたいな感覚です。
またすぐできるとは限らなくても 理解してまたできるようになりたい!と
脳と身体が私に言うんですよ。
インナーマッスルとアウターマッスルがお互い協力し合って上手く働いてくれた動作は
とても楽で気持ちよくて、何より脳と身体が喜んでくれます。
いつもより力はいらないのに いつもと同じ負荷の動作が楽にできたら
どんなに気持ちがいいものでしょう。
私は、人よりその感覚を得るのが遅かったのかもしれません。
毎日、しんどい日 疲れが取れてない日 嫌なことがあった日
どんな日でもニコニコ笑顔でレッスンをしていました。(たぶん)
でも、確実に身体は疲労していたのだと思います。
アウターマッスルの頑張りすぎた身体の私がピラティスに出会って
インナーマッスルを使える身体になるまでは、 途方もない時間がかかっています。
時間はかかったけれど、ピラティスに出会ってインナーマッスルと出会うことができて
本当に良かった。
インナーマッスルの感覚を得る方法は他にもあります。
次回は他のバリエーションをご紹介します。
このお話は4月から始めたインスタライブでのお話、またそこでいただいた
コメントやDMのご意見を参考に書いています。
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