こんにちは Pilates Plusのエノモトセイコです。
ピラティスをしたことがある方、一番初めにピラティスをしてみてどんなことを感じましたか?
私は、フィットネスインストラクター、パーソナルトレーナーとして
活動しながらそのレッスンの中の一つのカテゴリーとして
ピラティスに出会ったのがはじめの1歩でした。
運動に関しては、ガンガンに動いて、頑張っていて
ピラティスをした時の印象は「筋トレと何が違うの?」全く面白くもなければ
効果もよくわかりませんでした。
アウターマッスルが強すぎて ピラティスしてても完全筋トレなので仕方ないです。
そんな感想を持つ私は、ピラティスのレッスンを担当するのを避け
「あまり好きではないピラティス」とは数年接点が薄ーい状態でした。
たまにレッスンをすることもありましたが、
苦手意識が大きすぎて本当に嫌い!って思いながらレッスンしていました。
ピラティス好きじゃないのに勉強を始めました
ある日、自分がお仕事に行っているジムの連絡帳に「ピラティスの養成のご案内」が
ありました。その日程が、ちょうど自分の仕事を休まずに行けることを知り
その当時、とにかく資格マニアのようにいろんな勉強に行っていて
全然好きでもないピラティスの養成にも行く決断をするのです。
養成に行ってはじめの認定を取り、
好きでもなかったピラティスで自分の身体が変わった経験をしました。
そこから更に数年経ち、ピラティスを学び続けるのですが
テキストにピラティスを習得していく道のりについて書かれていました。
生徒ははじめ、
知識なしで身体も動かない
↓
身体が動くようになるが、知識なし
↓
身体が動くようになって、知識もつく
↓
無意識にエクササイズができるようになる
↓
次のレベルのエクササイズにチャレンジをするサイン
これが円になって書かれていました。
はじめはこれをみても、ピンとこなくて何を理解すればよいのか
さっぱりわからずに勉強は進んでいきました。
ピラティスのテキストはアメリカからきたものを誰かが訳したもので
時々理解しにくい表現があったり、英語を直訳したらこうなってしまった
んだなという言葉のチョイスも多かったと思っていて
私はわかりにくいことを無理に理解しなくてもいいか!と安易に考えて
どんどん進む勉強の中の疑問もスルーしていってたのが現実でした。
今もそのテキストは大切に持っていますが、テキストがおかしいというよりは
私の理解が追い付いていなかった部分が大半だったと今読むとわかります。
先ほどの習得の道のりのことを忘れられなくなったのは
フル認定と言って、全ての養成の課程を修了し ピラティスについての全般的な
理解ができているかという認定テストを受けた時に出てきた問題だったからです。
理解しなくてもいいか~と思ってスルーしていた私は
数年経ちそのテストを見た時「こんなの勉強した覚えもない」と思っていました。
実はちゃんと勉強していましたし、フル認定のテストを受けるころには
この順序で習得するのが最善だということが 自身でも経験して納得できていました。
頭で考えたって動けやしない
少し解説をすると、ピラティスを始めて経験する時 人はピラティスについて
知識もないし身体も理解していないところから始まります。
生徒はインストラクターの指示に従い運動します。
その時に、インストラクターの言ったとおりに動くことに集中します。
「上手くできた」と褒められるかもしれないし、「次はできるよ」と励まされるかもしれない
そこに「これはどうあるべきですか?」とか「呼吸はこうですか?」と理屈を知ろうと
しなくていいというのです。
まずは身体が何かを理解します。何度も成功するうちに頭が理解してくる。
身体→頭の順で理解するのがよくて
頭で先にいろいろ考えても身体がその動きを習得しなければ 意味がない。
そして身体と頭が理解し 無意識レベルで動けるようになったら
生徒は次のレベルにチャレンジする
この次のレベルは新しいエクササイズかもしれないし、
同じエクササイズをレベルアップさせたものかもしれない。
この道のりをグルグルと螺旋階段のように昇ってピラティスを習得していくというのです。
フル認定の試験は1回目見事に落ちまして、補習を東京まで受けに行き
2回目のテストで合格をいただきました。
補習はその頃一緒にテストを受けた全員が不合格で 関西から全員で行きながら
「どんな理不尽なジャッジで自分たちが試験に落ちたのだろう」と愚痴りながら
現地に向かったのですが、補習を受けるうちに自分がいかにテキストの細部まで
理解せずに 「英語の直訳だから変な言葉で理解できない」と言い訳していたかを
痛感したのを記憶しています。
やっぱり養成で学んだことは最善だった
スタジオを始めてから お客様と向き合う時にもこの道のりのことを理解していると
お客様の離脱する割合がぐんと減りました。
もう少しやってみて欲しいと思うのに「やっぱり、通うのを辞めます。」と言われると
私としては自分の力の足りなさに悩んで
指導方法が良くないのか? 相性が悪かったのか?とあれこれ悩んでみたこともありました。
ある時、ピラティスがわかるに至らず離脱する人には特徴があることに気づきました。
頭でわかろうとする人は、ピラティスを理解するまでに離脱してしまう。
あ~!私、これ勉強してた‼ そのことを思い出して
それからは、離脱率が随分と減り お客様も
「いろいろ考えないようにやってみます。」
と言ってくれるようにもなりました。
実は私も頭で考えがちなタイプでした。
思えば、頭の固い融通の利かない性格で こんなめんどくさい人間が
ピラティス好きでもないのに勉強を始め よく最後まで投げ出さなかったと思います。
半分テキストのせいにして わからなくてもまあいいかと
話半分にしていたのが こだわらずにピラティスができた理由の
一つかもしれないとも思っています。
それと、私の勉強したピラティスが単にエクササイズを習得する勉強だけではなく
指導者としての在り方や、このような理論までがカリキュラムされていたから
指導をしていて迷いが少ないと感じます。
自分自身よくわからないけど、ピラティスを毎日してたら身体が変わって
あとで勉強しなおしてみたら、昔聞いたことが腑に落ちて
身体と頭が一致した。というのが私のピラティス習得の道のりでした。
そう思うと自分がこの手順で習得したからこそ 今もピラティスをしているのだと思っています。
もしかしたら、ピラティス以外のことでも共通することなのかもしれません。
エアロビクスインストラクターの養成に行っている時も、先生に
「白黒だけを基準にしないで」とよく言われました。
私はすぐに「これは合っていますか?」という言い方をしていて
ダンスを作る構成は一つではなくて、いろんな方法があっていいのに
私はすぐに〇か×かの答えを欲しがったので そんな風に言われたのですが
その頃は全く言われている意味が分かりませんでした。
そう思うと自分もフィットネスに関わるようになって、運動指導者として
いろんな人と向き合ううちに少しは成長したのかなと 思ったりします。
頭の固い 昔の私のような人がピラティスに来ると 私もこんな感じだった。
と思います。その人が、気づくかどうかはわかりません。
気づいて変わる人もいます。
ピラティスがマインドボディエクササイズと言われる理由がこんなところにも
あるのだなと そして、私も変えてもらったひとりだと思っています。
まだまだパーフェクトではないものの、
昔の自分より少しだけ頭の柔軟性はアップしているはず。
ピラティスに感謝です。